松山から車で1時間弱の内子町。昔ながらの街並みが素敵なところ。かつて木蝋(もくろう)の生産で栄えた場所です。木蝋の歴史を見たり、「内子座」で芝居小屋の仕組みを見たりして楽しかった場所。松山から日帰りで楽しめる内子について紹介します。
目次
内子で巡ったスポット
内子で巡った場所は、以下のとおりです。
- 蕎麦 つみ草料理 下芳我邸(ランチ)
- 内子座
- 商いと暮らし博物館
- 木蝋資料館 上芳我邸
- カフェでんじろう
- 大森和蝋燭屋
間でちょっとお土産屋さん覗いたりもしてるけど。
蕎麦 つみ草料理 下芳我邸(しもはがてい)【内子ランチ】
まずはランチ。古民家でお蕎麦をいただきました。130年前に建てられた豪商のお屋敷で、なんだかいろいろなところに歴史を感じました。
タイミング良く並ばずに入ることができましたが、地元の方なども食べに来ている様子でした。
料理を注文して、待っている間に、地元の観光案内のおばちゃんが来て、内子についてひととおり説明してくれました(笑)下芳我邸の2階が手作りお土産のギャラリーになっているのですが、そこの商品説明などではなく、内子の歴史とか、下芳我邸の魅力とか、お屋敷の特徴とか。ちょうど内子のどこを回ろうかなども決めていなかったので、とても助かりました。地図もくれたし。
下芳我邸で頼んだメニュー
わたしは「季節のお蕎麦」。1100円です。しらすがたくさんのっていて、レモンでさっぱり。プチデザートが嬉しかったです。一口食べたいんですよね、甘いモノって。
何より感動したのが、お花が一輪ついていたこと。ときめきました。
こちらは豪華セット。「野遊び弁当」です。天ぷらなどがついて1,560円。
大正天皇の新聞
ふすまを張り替えようと剥がしたら、大正2年1月1日の新聞が出てきたそうです。中央の方が大正天皇。年始のご挨拶の記事でしょうか。ここはうえからふすま紙を貼らずに、見ることができるようにしているそうです。
2階のお土産ギャラリー
2階は、地元の方の手作りお土産が並ぶギャラリーになっていました。和紙でできたポチ袋とかお箸袋とか。かわいかったー!
ちなみに2階は、床の間が2つある変わった作りになっていました。元々人気の酒屋で、多くのお客さんを同時に相手にしないといけないことがあったのでこのようになっているとか。2つの床の間は、いろいろと調整して、格も揃えているそうです。
下芳我邸の情報
住所/愛媛県喜多郡内子町内子1946
公式サイト/http://www.shimohagatei.com/
食べログ/https://tabelog.com/ehime/A3803/A380303/38000467/
内子座【内子観光スポット】
重要文化財の内子座。ちょうどマンガ「うらめしや」を読んでいて、芝居小屋の話が出てきたのでタイムリーでした。妖怪など、人間ではない登場人物が登場する「すっぽん」など、マンガで出てきた設備も見れて楽しかった〜!
舞台上の大きな松の絵が、マンガとか時代劇で見る感じで楽しかったし、受付の人が丁寧に詳しく説明してくれて、内子の人親切だな〜と思いました。
舞台は今も使われていて、森山未來の公演とかもあったらしいです。
内子座の外観。江戸村とかにありそうですね…大正5年(1916年)に建てられた建物で、木造2階建て。老朽化を理由に取り壊される予定でしたが、町並保存運動に連動して昭和60年(1985年)に復元されたそうです。窓ガラスも最近のものに差し替わっていますが、一部、当時のものを残していて、そこだけはちょっと歪んだ、昔ながらのビードロガラスがはめられています。
内子座の中へ!
チケットを購入して、内子座の中へ。まず目につくのは枡席です。枠内に座布団を敷いて座るのですが、昔は1枠に4人座っていたそうです。昔の人どんだけ小柄なの…
最近は流石に狭いので、枠の間の棒を取っ払って、2枠で6人座って利用しているらしいです。それでもまぁまぁ狭くて、ゆりかもめくらいの座席と同じくらいの広さかなーと思います。
こちらは、花道の途中にある「すっぽん」。舞台の袖など、本来役者が出てくるところとは違う場所にあり、「いつの間にかいる」みたいな不気味な演出ができる場所です。幽霊役や妖怪、忍術使いなどがスーっと出てくるのに使われるそうです。
いよいよ「奈落(ならく)」へ!
奈落、って聞いたことありますよね。そう、地獄のことです!笑
舞台の下は「奈落」と呼ばれ、舞台装置や地下通路になっています。それにしても奈落、って、もっといい言い方なかったのかなー!
奈落は石垣でできています。地下にある石垣。新鮮。空気がヒヤッとしていました。
これは「せり」の舞台装置。お芝居とかライブで、演者が下からせり上がってくる演出ありますよね。その装置です。昔は普通に人力で上げていたみたいです。なんか歯車とかあって、ハンドルぐるぐる回して上げる、とかだと思っていたら、普通にスッと上げるタイプでびっくり。とてもシンプルでした。
再び舞台へ
奈落から出て、舞台上へ。半被(はっぴ)と傘を借りて、写真を撮ることができます。
ただでさえダサめのポーズしかできない系夫婦なのに、こんなカラーリングのはっぴ着て、おしゃれに撮るスキルがありませんでした…ちなみにシャッターは係の人が押してくれます。
(インスタで「#内子座」検索したら、客席に降りて、傘で顔を隠した後ろ姿を撮っている人がいました。センスあるなぁ)
こちらは2階から撮った内子座のようすです。(結構人がいないので、無人の写真余裕で撮れます)2階だと舞台上の松の全貌が見れて素敵。マンガとか時代劇みたいな感じですね。
内子座のチケット
内子座の入場券は、大人400円、子ども200円です。
「内子町伝統文化施設 セット券」を購入すると、以下の3つの施設に入れるようになります。
施設名 | 通常料金 |
---|---|
内子座 | 400円 |
商いと暮らし博物館 | 200円 |
木蝋資料館 上芳我邸 | 500円 |
合計 | 1100円 |
セット券は900円なので、1人あたり、200円おトク。
ちなみに今回はこのチケットを購入して、3つの施設すべて回りました。
商いと暮らし博物館【内子観光スポット】
続いて、商いと暮らし博物館へ。ランチを食べた下芳我邸のすぐ近くだったのですが、まず内子座に行きたかったのでこの順番になりました。
商いと暮らし博物館は、大正10年くらい(1920年くらい)の暮らしを展示している博物館。薬屋だった商屋の建物をそのまま残しています。
人形が何人か置かれているのですが、めっちゃずっと喋ってて面白いです。
ちなみに「薬屋」ですが、海外に薬を仕入れに行くときに一緒にマヨネーズとかケチャップとか海外のものも仕入れて売っていたらしいです。この人形はケチャップの説明をしてました。
商いと暮らし博物館の中はこんな感じ。畳のお屋敷です。2階建て。
2階にはご隠居の部屋があり、ご隠居が囲碁を打っていました。家業を息子に譲った創業者だそうです。この写真は、私がヒカルの碁で覚えた初手天元をかましているところです。
こちらは帳簿をつけているようす。
商談をしている様子に混ざっている夫です。「それいいですね」と言っています。
炊事場には女中さんがいて、ずっと文句を言っていたのが面白かったです。
あと、食事シーンもあるのですが、土間にの上に家族がいるのに、丁稚(でっち)は土間の下に座っていて、明らかに身分が違う、という感じが出ていました。ほんの100年前くらいでもこんな差別みたいなことを普通にしていたんだなーと思いました。
木蝋資料館 上芳我邸【内子観光スポット】
続いて上芳我邸へ。ちょっと距離があるので歩きます。建物自体も重要文化財ですが、木蝋について知ることができます。
途中「本芳我邸」があります。ご飯を食べた「下芳我邸」「本芳我邸」「上芳我邸」はすべて芳我家の家系でした。本芳我邸も重要文化財ですが、中に入ることはできません。外からは見れます。
上芳我邸は、通りに面しているのが家1軒なので、家の中をくるっとみたら終わりかなと思っていたのですが、ものすごいボリュームでした。家一軒分に加えて、お庭が広い!しかもそのお庭には「木蝋資料館」があって、木蝋ができるまでの展示や、タッチパネルのクイズとか、なんかいろいろありました。敷地面積は4,327㎡(1,300坪)あるらしいです。
こちらも一部人形がいます。食事の豪華さから、どれだけ儲かってたかわかりますね。
中庭も素敵です。祠がありました。
上芳我邸の屋根裏。立派な梁を見ることができます。大黒柱がどのように通っているかもわかって面白いです。
木蝋資料館には、木蝋の製品ができるまでの展示があります。
原料であるハゼの実を粉にして蒸し、搾り取ったものが生蝋(きろう)で、それを漂白して白蝋(はくろう)にし、クレヨンや口紅などの化粧品に利用されていたそうです。
でんじろう【内子カフェ】
たくさん歩いたので、アイスを食べながら休憩。でんじろうというお店の前での塩あんこアイスという看板が見えたので、釣られて入ってみました。
甘いアイスとしょっぱいあんこの不思議な組み合わせで、楽しかったです。
住所/〒791-3301 愛媛県喜多郡内子町内子2633
大森和蝋燭屋【内子観光スポット】
昔ながらの蝋燭を作っているところを見られるお店。親子の職人さんが黙々と作っていて、写真を撮る勇気が出ませんでした(笑)
芯に少しずつ溶けた蝋をかけて太くしていました。あつくないのかなー…
やさしい、はちみつみたいな薄黄色の蝋燭が素敵でした。
住所/〒791-3301 愛媛県喜多郡内子町内子2214
公式サイト(通販もやってます)/http://o-warousoku.com/index.html
内子町への行き方
内子は愛媛県にある昔ながらの街並みを残す街並みです。最近ではレンタル着物も始まって、古い町並みをより楽しむことができるようになりました。
内子は、道後温泉などのある「松山」からアクセスする人が多いのではないでしょうか。
松山から内子へのアクセス
内子に行くには以下のパターンがあります。松山から行く場合と、松山空港から行く場合があるので、合う方を選んでくださいね。
- 【列車】松山駅から特急宇和海:25分(2,060円)
- 【バス】松山空港からのシャトルバス:50分(1,500円)
- 【車】松山駅から50分
ちなみに、松山空港から松山駅までは、シャトルバスで15分ほど、470円です。往復で別々の方法でもいいですね。
宇和海は、電車ではなく「汽車」です。ディーゼル車なので、エンジンを積んでいる珍しい列車。1時間1本程度なので注意しましょう。
愛媛県といったら松山の道後温泉ですが、少し足を伸ばして、古い町並みを着物で散策、というのも素敵です。内子の人達みんな親切なのでぜひ行ってみてください。